インド系シンガポーリアンのお祝い『光の祭典』Deepavali!

まもなく、シンガポールに4つある民族的なお正月のひとつ「Deepavali(ディパバリ)」がやってきます。ヒンドゥー暦に基づいているため毎年日にちは異なりますが、今年は10月20日。シンガポールでも祝日となっていて、この時期になると街が少しずつディパバリの華やかな雰囲気に包まれていきます。
厳密にいうとディパバリは日本のお正月のように、いわゆる“新年を迎える日”というわけではありませんが、ヒンドゥー暦の新月の夜にあたり、「光が闇に勝つ」という意味が込められています。『光の祭典』として広く祝われ、特にインド系コミュニティにとってはとても大切な日です。ディパバリに向けては、家の大掃除をしたり、新しい服や贈り物を準備したり、当日は家族や親戚が集まってにぎやかに過ごすなどするそうで、日本のお正月に近い感覚もあり、親しみが湧きます。
この時期、市場、特にリトルインディアなどを歩いていると、色鮮やかなデコレーションやお菓子、キャンドル、ランプ、伝統衣装などのディパバリ関連の商品がたくさん並んでいて、見ているだけでもワクワクします。
この時期の名物のひとつが、リトルインディア周辺で開催されるオープントップバス(屋根なしバス)でのイルミネーション見学ツアーです。ディパバリ前後の週末になると開催されていて、日本人を含めたくさんの人が毎年楽しみにしているようです。屋根なしバスというだけでもちょっと特別感がありますが、常夏のシンガポールの気候もあいまって、リトルインディアの熱気や活気が肌にじかに伝わり、ライトアップの華やかさだけでなく、その空気ごとお祭り感が味わえるのが、このツアーの面白さかもしれません。まるで本場インドのマーケットに迷い込んだような感覚になるそうですよ。もしこの時期、機会があれば体験してみるのもいいかもしれません。
インド系シンガポーリアンの人がどんなふうにディパバリを過ごすのか、少し気になりますよね。
多くのインド系シンガポーリアンは、今でも伝統に沿ったかたちでディパバリを過ごしているようです。例えば、当日の朝は早起きしてオイルバス(オイルで体を清める沐浴)を行い、神様にお祈りを捧げてから、家族や親戚を訪ねてお祝いをするのが一般的だそうです。新しい服に着替え、甘いお菓子やスナックをふるまいながら、親しい人たちと楽しい時間を過ごします。また、朝は家の玄関先に色とりどりのコーラム(Kolam)を描き、夜にはオイルランプを灯すなど、神聖な空気が漂います。
私も以前、近所のお宅の玄関前にチョークで描かれていた色鮮やかな模様を見かけて「なんだろう?」と思っていたのですが、これでその“絵の謎”が解けました!とてもきれいなので住宅街をお散歩してコーラムを見つけてみるのも面白いかもしれません。
この時期になると、街中や職場、学校などでも「Happy Deepavali!」というあいさつが飛び交い、あたたかな祝祭ムードが広がります。
インターナショナルスクールでも、文化紹介の一環としてディパバリを祝う学校が多くあり、子どもたちが伝統衣装を着たり、ランプ作りを体験したりと、楽しみながら異文化に触れる貴重な機会になっています。
多国籍文化シンガポールならではのお祝い、ディパバリ。
この季節、シンガポールでインドの文化を楽しんでみてはいかがでしょうか?
Happy Deepavali!